『上位チームには最低でも引分け、下位チームには絶対勝利。これがモウリーニョ率いるチェルシーのチーム戦術です』
強いですね。モウリーニョ監督が率いる、今シーズンのチェルシー。
現在、2014-2015シーズンのプレミアリーグで5試合を終えて、4勝1分。しかも、その1分はマンチェスターシティのホームである、エティハドスタジアムでの試合結果です。
今季、プレミアリーグの優勝候補の最右翼である、マンチェスターシティとの対戦でアウェイで引き分けられたのは、チェルシーにとって、大きな成果であったと思います。
しかも、後半の途中まで試合をリードしていた展開でした。ただ、土壇場で昨年まで、チェルシーの顔として長年、在籍していたフランク・ランパードに、同点ゴールを決められ引き分けになる結果に。
このゴールには両チームとも、何とも言えない雰囲気が漂いましたが、試合終了後にはライバルチームであるはマンチェスターシティに移籍したランパードに、チェルシーのサポーターから熱い声援を送られました。
ランパードはその声援に応えると共に、密かに目頭を押さえていたとの事です。マンチェスターシティの監督である、マネエル・ペジェグリーニは、古巣相手に全力を尽くしたランパードを「真のプロフェッショナル」と称えました。
それに対して、ジョゼ・モウリーニョ監督は、長年の仕事仲間であったランパードにはそっけないコメントを送りましたが、モウリーニョ監督も「彼はプロとして仕事を全うしただけ」とその姿勢を称えていました。
色々な人々の思いが錯綜した、プレミアリーグの頂上決戦の初戦は引分けになり、チェルシーは単独首位をキープしています。
モウリーニョ監督が新たに、チェルシーのを率いて2シーズン目の今季。上位チームが躓いている中で、安定した強さを際立たせています。
今回はモウリーニョ監督が率いるチェルシーの強さを支える、徹底したチーム戦術に関して公開したいと思います。
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サッカーIQ、献身性の低い選手は能力があっても使わない!徹底した選手起用の方針!
モウリーニョ監督は、率いるチームに対して、自身の想定するチームコンセプトを浸透させる事を最優先の目的とさせています。
その為のトレーニングも様々な工夫が凝らされています。トレーニング内容については、下記記事をご参照下さい。
関連記事:モウリーニョの戦術を支える革新的なトレーニングとは?
トレーニングを通して、チームコンセプトの浸透とサッカー選手としての判断力を養います。そして、そのトレーニングの成果を試合に反映させるのです。
選手起用も独自の考えを持っているようで、チームコンセプトを献身的に実行しない選手、判断力が悪いサッカーIQが低い選手はモウリーニョ監督は起用しません。
モウリーニョ監督が就任するまで、チェルシーのオフェンスキーマンであり、10番を付けていたファン・マタは、チームコンセプトと合わない選手という事で構想外となります。
代わりに、ブラジル代表のオスカルの起用が増えていきました。この事に関して、モウリーニョは「マタは攻撃面では文句は付けようがない。ただ、守備面では彼よりも、オスカルの方が献身的。」
とコメントしています。結果、チェルシーの10番であるマタは、ライバルチームのマンチェスターユナイテッドに約60億円で放出されました。
関連記事:マンチェスターユナイテッドのスタメンはどうするの?60億移籍のマタはベンチに?
余談ですが、現在、マタは移籍先のマンチェスターユナイテッドでも出番を失いつつあります。
このようにジョゼ・モウリーニョは、チームコンセプトに献身的ではなく、サッカーIQの低い選手は実績、実力は関係なしに起用しないという考え方を持っています。
逆に積極的に起用される選手は、サッカー選手としてIQが高く、チームに献身的な優秀選手であるという事です。
実は、ドルトムントに所属していた香川真司が、マンチェスターユナイテッドに移籍する前、モウリーニョは彼をレアル・マドリードに移籍させたがっていたようです。
仮に移籍していたら、スタメンでは起用されるのは困難かもしれませんが、香川真司は日本人では初のレアル・マドリード所属の選手になる可能性もあったんですね。
現在のチェルシーにおける真の勝利とは何か?
どんなスポーツでもそうですが、プロである限り、目的は「勝利」のみです。現在のプレミアリーグにおけるチェルシーの勝利とは何でしょうか?
それは、プレミアリーグを制覇する事こそが、チェルシーにとっての「勝利」となります。
合計試合数は38。この38試合を個別に見るのではなく、38試合を終えて、初めて「勝利」かどうか?が決まる事になります。
1試合1試合はある意味、「試合経過」であり、プレミア制覇時点で「勝利」が確定する事を意味します。
ですので、プレミア制覇を「勝利」とする以上、内容によっては完全に勝ち切る必要のない試合も発生してきます。
それは、プレミアリーグ上位陣との対戦です。モウリーニョ監督はプレミアリーグの上位チームとの対戦、特にアウェイでは、必ずしも勝利を目的としていません。
最低でも引分け、あわよくば勝利というスタンスを取っています。最も避けようとしているのは「負ける事」です。
マンチェスターシティ、リバプール、アーセナル、などの強豪チームには最低でも引分ける。ただし、その他の下位チームには、キッチリとアウェイでも勝利を目指す!
これが、モウリーニョ監督が率いるチェルシー勝利の方程式になります。
上位、下位チームでは戦術を徹底して使い分けるモウリーニョ監督!
先程も述べたように、モウリーニョ監督が率いるチェルシーは、上位チームには最低でも引分け。下位チームにはアウェイでも勝利を目指していると記載しました。
実際、モウリーニョ監督はプレミアリーグの上位、下位チームに対して、徹底的にチームの戦術を使い分けてきています。
上位チームに対しては原則、守備的な4-2-3-1という布陣。下位チームに対しては、攻撃的な4-3-3という布陣。この間のマンチェスターシティとの対戦は、チェルシーはかなり守備的に戦っていました。
あまりに守備的過ぎて、対戦したマンチェスターシティのペジェグリーニ監督から非難を浴びたり、チームの要である、エデン・アザールからも、守備的過ぎると非難を浴びる始末です。
的確な補強が功を奏しているチェルシー!
今季、チェルシーはバルセロナからセスク・ファブレガスを約51億円で獲得。アトレティコ・マドリードからはジエゴ・コスタを約56億円で獲得しました。
この補強に関して、モウリーニョ監督は「最後のミッシング・ピースが埋まった」と表現する程、満足だったようです。
実際に、補強は大成功でセスク・ファブレガスは中盤の司令塔として、アーセナル時代の様に活躍をしています。
王子の帰還とバルセロナ移籍を歓迎されたセスクでしたが、いまいち、バルセロナではフィットしきれていませんでした。
縦に推進力を持つプレースタイルのセスクには、バルセロナのポゼッション文化には馴染まなかったようです。
現在のカウンター主体のチェルシーでの活躍ぶりを見ると、彼はプレミアの方が水が合っていたようですね。
一方、ジエゴ・コスタも大活躍で、マンチェスターシティとの対戦までの4試合は連続ゴールを記録しています。ブラジルワールドカップの不振が嘘の様な活躍ぶりです。
彼らの貢献が大きく影響した結果、チェルシーは開幕4連勝を記録しました。ここまでの結果を見れば、チェルシーの補強は的確だったと言えるでしょう。
約250億円もの移籍金を投じても、昇格組のレスターシティに大惨敗したマンチェスターユナイテッドとは大違いです。
関連記事:マンチェスターユナイテッド守備崩壊…昇格組のレスターに大逆転負け…
今季はプレミアリーグを制覇する事が出来るか?
チェルシーは現在の調子を保つ事が出来れば、今季、プレミアリーグ制覇の可能性が高いと思います。
センターフォワードのポジション以外は主力が怪我をしても、選手層が厚いので、大崩れする事はないでしょう。
更にチェルシーというチームは、基本的に「負けない事」を最優先にしていますので、攻撃の要であるジエゴ・コスタが怪我をしても、何とか勝ち点をもぎ取るチームなんです。
そう考えると、今季のプレミアリーグはチェルシーが優勝しそうですね。ただ、監督のモウリーニョ、オーナーのロマン・アブラモヴィッチ、チェルシーの選手もそれだけでは、満足しないでしょう。
欧州チャンピオンズ・リーグの制覇も当然、視野に入れている筈です。ただし、プレミアリーグ、カップ戦と並行する、欧州チャンピオンズ・リーグを制覇するには、如何にモウリーニョ監督が率いるチェルシーでも難関です。
チャンピオンズ・リーグは運の要素もあるような気がしますし、近年、連覇したチームはありません。
グアルディオラが率いていた最盛期のバルセロナでも、モウリーニョ率いるインテルに準決勝に敗れて、連覇を阻止されています。
それだけ、チャンピオンズ・リーグで勝利をするという事は困難という事です。バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、レアル・マドリード、ユベントスなど、欧州の強豪との連戦ですからね。
ただ、そこまでを視野に入れて、ジョゼ・モウリーニョはチェルシーを率いていると思います。
一度ですが(2回ですね…ご指摘いただきました)、チャンピオンズ・リーグを制覇して実績がモウリーニョにはありますので、プレミアリーグ、欧州チャンピオンズ・リーグの同時制覇も不可能と考えてはいないでしょう。
モウリーニョ監督が率いるチェルシーには注目したいです。
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